SHEEN × onkul

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世界に想いを馳せてみる 旅する24時間

#バンコク
日本とタイの距離を近づけた
まんが家、ウィスット・ポンニミット

2017.02.24

ここ最近、カルチャー好きの人たちの中で、日本とタイとの距離をぐっと近づけてくれたのが、タイ・バンコク生まれのまんが家、ウィスット・ポンニミットさん。2年半ほど日本に留学していた経験もあり、読者には通称タムくんと呼ばれ、親しまれている。まんが作品だけでなく、作家・よしもとばななさんの単行本や、服部みれいさんが編集長を務める『マーマーマガジン』の装画や、星野源さんの所属していたSAKEROCKや原田郁子さんなど、ミュージシャンと映像のコラボレーションもしていたので、その絵は目にしたことがある方が多いかもしれない。

タムくんのまんがの魅力は、その素朴な絵にもあるけれど、何よりもその作品に込められたメッセージ性だ。不思議な世界観で繰り広げるまんがは、ほっこりしているものだけでなく、その画風からは想像もつかないようなシュールなものや、グロテスクなものもある。でも、難しいことを押しつけがましく表現するのではなく、とてもシンプルな視線で、気がつく人だけ気づくようなメッセージを含んでいる。それは、私たちが大人になるにつれて、そして忙しない毎日を過ごしていくにつれて、だんだんと忘れていってしまっていたようなことだ。「今日の私が一番新しい私だ」「いつか元の自分を愛してくる」「一度にもらえる幸せは限られてる」など、そんな言葉たちが、絵と合わさって、とても強いメッセージになって、私たちの心に染み込んでくる。

そんなストレートなメッセージは、バンコクで生まれ、暮らしていて、でも日本のことも知っているからこそ生まれるものなのかもしれない。日本人は使わないような少し片言の日本語に引っかかりを覚え、余計に心に入ってくるような作用も感じる。

写真の『ヒーシーイット』は、「アクア」、「オレンジ」に続く3作目の「レモン」。「アクア」では文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞を受賞している。東京とバンコク、たった2時間の時差の中でタムくんが感じ取った日本のこと、そして生まれた、伝えたいこと。ずっと日本にいる人にとっては目からうろこ、に感じる作品をぜひ味わってみてほしい。

『ヒーシーイット レモン』ウィスット・ポンニミット著 ¥1.080(税込み)(ナナロク社)、ブックカバー¥1,404(税込み)、マグカップ 参考商品/ともにTamariba
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